無題

バックギャモン/チェス/囲碁

囲碁見聞録1-ちょっとコレ、俺には無理じゃね?

(上の画像は初段になったら欲しいなァ~~~と思っているebayストアの碁石

転載分以外では初投稿となる。最近はじめた囲碁について、現在進行形の率直な感想を書き残しておく。
本文は筆者本人が始めたてなのもあって、未履修者と入門者向けの書き方になっている。

このブログのバックナンバーの通り、筆者は過去にいくつかのボードゲームをある程度嗜んだ経験がある点についてはご留意いただきたい。

1.

 2022年12月下旬、ネットサーフィンしていたYoutubeのおすすめに「名人戦第七局」のサムネが現れ、ルールもロクに知らないままリアルタイム観戦したことが囲碁歴スタートのきっかけとなった。
(この時の解説は張 栩(ちょう・う)さん、聞き手は下島 陽平さんで、この二人でなければ終局まで観続けられなかったと思う)

よいタイミングで公式アプリ「囲碁であそぼ!」がリリースされ、しばらくこちらを遊ばせてもらった。
本因坊秀策悪ふざけ不思議な力によってタイムトラベルの被害にあったした主人公が、これまた不思議な力を持った家紋を集めまくり、やがて現代へ帰還するストーリーモード。かわいいキャラデザインとマッチした結果、中々にどうかしてる感じになっているのはポイント高い。
9路盤でのルール解説からはじまり、これでもかと言わんばかりに投げ付けられる喜捨基礎問題を解いていきながら全国行脚する内容だ。
なんやかんやあって無事帰還した後に戦国武将COMを相手に13路盤で対局することができる道場モードへ進むのだが、リリース当初では対局の進行が止まる深刻なバグがあり、修正アプデが入るころにはこちらのゲーム内マネーが尽きており泣く泣くヤメ。

2.

 2023年に入り、ネット対局で一般的な碁盤サイズの19路盤デビュー。当然ながらリア友は居らず、オンライン対局サーバーのOGS(オージーエス)でCOM相手に少しお試し。同じCOM相手ならば、序盤の進行が同じになるためリードしやすい。
4級くらいまで上げたが、ついに対人戦にこぎつけられずヤメ。

やってる最中の率直な感想は「めんどくせ~~~~~~!」の一言に尽きる。
19路までマップが広がると、何を目的に行動すればいいのかまったくわからない。
悲しいかな先の展開が何も見えないので、一手一手に丹精を込めないと次の一手が打てない。
一局終わるころには白と黒を見続けたせいで目がチカチカし、目薬を差さないとやっていられない。
とはいえCOMはサクサク着手を進めてくれるので、そこはせめてもの救いだった。

 序盤の流れをつかむために書籍を集めてみた(残念ながら近所の書店には囲碁の本があまり無い)が、一部の本は未校正丸出しの強烈な駄文だったのもあって、こりゃイカンと察して文章の少ない問題集を周回する方針に切り替えた。
解説つきの本は、独特なカタカナ語が散見されるのも分かりづらさに拍車をかけている。例えば古本屋で買った少し前の本では、石が中央へ出ていく動きを「デ」と表現されていたり、よく読んで…は「ヨンで」となっていた。
(はるか前に読んだヒカルの碁では、中国人のキャラクターが上のようなセリフの表現をしていた記憶があったが、まさかちゃんとした囲碁の表現だったとは当時感じ取れず)

3.

 そうこうして1月下旬には、別のオンライン対局サーバーの野狐囲碁(のぎつねいご)で10級登録スタートした。複垢も容認されている?からか、ユーザー数はかなり多い。中国産のアプリケーションではあるが、聞いた話によると月額料金がかからないこちらをメインにしている日本人が多いらしい。
画面内のUI文字は一部のみ日本語化されているが、テキストでない部分は中国語のまま。

当然ながら全員が肉入り(古のネトゲ用語…)なので、OGSの級ほど簡単には上がらせてもらえない。サンドバッガーもかなり居る模様。
対局中に【形勢判断】ボタンを押すことでザックリとした目の数が分かるようで、これはかなりありがたい。というかコレが無かったらゲームをやる気にならない。

 2月にはTwitter上のやりとりをきっかけに、こちらの定例大会に参加することにした。普通では実現できない高段者とのハンデ戦の手合いを組んでもらえるのだ。
ソロ活動をしていた筆者にとって、モチベーションの維持に大きな影響を与えた。

www.youtube.com

さて、野狐囲碁をしばらくこなしてみて気づいたことは以下。
現時点での理解による表現なので、誤っていたり謎の書き方になっている可能性あり。

  • 石をひとつ置く(一手)ことで、二つ以上の意味をもたらすならばそれは良い手である。
  • 石をひとつ置く(一手)ことに関する優先順位として、「大場と急場」という理念が存在する。
    →大場:一手で隅のエリアを強化するもの。
    →急場:石の集団の安全度(根拠)にかかわるもの。優先度高め。
  • 大差でない限り、事実上死んでいる石は盤上から消えるまで"消えていない"。
  • 上記に関連して、絞り・利かし・味消しの判断と、決行のタイミング。
  • 取られる手数(ダメの詰まり具合)を数えて早めに攻め合いの勝ち負けを判断する事が、別エリアへの切り替え/連動した攻めに関係する。
  • とにかく、四隅の生き死にをある程度覚えない事には何もできないのが囲碁というゲームらしい。

というわけで、一局の中で考える事がかなり見えすぎてしまい、追うのが大変だ。
奥が深いと表現すればそれまでだが、「なんか難しそうなゲーム」を少し掘ってみたら「難しいどころの騒ぎじゃないでしょ」となってしまった。

おまけに実際の碁盤と碁石でやるリアル対局では、現在の目数も仮想のラインを囲って脳内で足し算するわけで、ネット碁に慣れきった自分にとってはあまりにもキツい。(もはやどう表現していいのか分からなくて泣きそうだ)
元々からバックギャモンピップカウントもおぼつかない側の計算苦手マンではあったが、ダブリング周りのエラーレート(AI一致率)に関連する程度のコチラとは異なり、囲碁の目数計算はモロに勝敗に直結する部分だから逃れる事ができない。

4.

 アクティブプレイヤー数が年々減少するのは当然だろうなと妙に納得してしまう自分が居た。そもそも、「囲碁であそぼ」である程度ルールを覚えてからの次のステップの提案が見当たらないのだ。
例えば、Youtubeの中継を難なく追えるようになるには何段ほどの知識が必要なのだろうか?
これはあくまでも個人的な意見だが、切り抜き動画すらないライブ中継の動画をイチから観るのは結構ハードルが高い。AIの評価値があるのはありがたい。
もう少しこれ(AI分析)をうまく使った「棋士の強さ」を表す指標が出てくれたら、それを追うために滞在時間を延ばせるかもしれないと感じた。以下は一例。

  • 開始30手のうちの3番手/2番手/1番手一致率:「〇〇@30」のような表記
  • 開始30手のうちに何目差リードできているか:同上。リードできてないなら模様派?
  • 解析深度(Depth)ごとの一致率
  • 対局開始前に、両棋士の黒白6手の使用布石分布を円グラフ表示

 本屋やキンドルストアでは「囲碁初段になるには」的なタイトルが散見されるが、指導者側は例えば1万ダウンロードで出来上がった1万人の初心者のうち、何人くらいが初段になるという想定をしているのかも気になる。

町内で初段前後の対戦相手が欲しいと懇願されたり、たまたま処分品の書籍を大量に入手したり、あるいは職場で流行の兆しが見えたから先行して…等の理由がない限りは、一局250手近くかかるゲームを上達しようという境地にはたどり着かないはずだ。
あるいは、囲碁ボードゲームと見ずに「棋道」とするなら多少の壁はあって然るべきかもしれないが…。

 

 幸運にも2023年5月のゴールデンウィーク終わりに野狐1級まで昇級できたが、いくらかの対戦相手の選別も行っているのでこれはまだ正確な棋力の数字とは言えない。
囲碁というゲーム、どのような点は他者におすすめできるのか、という部分は見出せないままここまできてしまったが、もう少しあがいてみることにしたい。