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バックギャモン見聞録2-俺と、埋もれたMボード

eyecatch

注:この記事は2020/10/30 00:22にNoteへ投稿したものをHatenaBlogへ移設し、加筆・修正したものです。

 前回の記事では、バックギャモンでの出会いからネット対局場のアカウント作成まで、約2週間ほどの出来事を記した。

さて、今回の記事はバックギャモン盤(セット)を購入するまでの話になるが、これを「バックギャモン見聞録」というカテゴリに入れても良いのか?と自問自答したくなるような内容になってしまった。

なんでも売ります・買います

 ここで紹介するキンブルは、愛知県にのみ存在するリサイクルショップのチェーン店である。東海地方以外に住んでいる皆様はご存じだろうか?
近年は地元以外のメディアにも取り上げられ、そのネタ具合も相まって一種の観光スポット化しているようだ。

 ざっくり書くと「タダ同然で仕入れた物品を二束三文で捌く」スタイルを徹底している。そのため、定番品や常時在庫品らしきものは存在しない。
お店の雰囲気的には業務スーパーやサンディ(大阪ローカル?)が近いと思う。

(不人気商品をうっかり大量入荷してしまったケースはよくある。狂おしいほどマズいミント味のチョコレートなどは賞味期限ギリギリの値下げになっていても売れ行きは鈍かった)

当然、売り切れたら終了。次は何が来るのか分からない。一期一会の極致。そこら辺の由緒正しいホームセンターと同じように見てはいけない。

 かのドン・キホーテが【激安の殿堂】なら、こちらはなんと呼べばいいだろうか。
今やKimbleRateが1550を越えRookie → Experiencedとなった私としては是非とも【激安の銀河】を推したい。
いや、むしろ”激安”のを外してただの【銀河】というべきかもしれない。これには苦い実体験に基づく持論があるので、後述する。

 キンブルは愛知県全域に4店舗のみ存在し、各店舗ごとに大きな品揃えの差はないのだが、敷地の広さによって大型の家具などは比較的「みよし店」や「小牧店」に集まりやすいという印象だ。早速以下の動画で店内の様子をご覧いただきたい。

家具・事務用品

 キンブルみよし店の様子。キンブル4店舗の中で最大最強の家具コーナーがある。
※古いカーナビではヒットしない場合があるので、私は㈱シンテックホズミを目標にしている。
ご家庭では縁遠いステンレス製の大型冷蔵庫やフライヤー(揚げ物あげるアレ)、さらには潰れた町工場から攫ってきたであろうボール盤(鉄に穴あけるアレ)も数万円で誰でも買える。それ以外にも、相場が分からなさ過ぎて素人にはおいそれと手が出せないものが日々続々とやってくる。
少しでも気になった方はキンブルの公式Twitterの入荷情報をチェックしてみると、混沌とした店内のイメージがより濃くなると思う。

(接客業が厳しいこの時期ならでは「閉店の際には~」というひとこと)

 家具や事務用品コーナーは売り場スペースを取るものが多いからか、割とシャレになっていない値付け・値下げをされる。
(リアルで見たのは事務机と冷蔵庫が550円だったのが一番衝撃的だった)
これらのランダム性・中毒性によって多くの”キンブラー”を日夜踊らせている。
当然ながらこれらの商品は基本的に「中古品(現状渡し)」であり、ノークレーム・ノーリターンのいわゆるジャンク品だと認識しておく必要がある。

 ちなみに、大型家具を指定して『すみません、これください』と店員さんに伝えると、番号札を渡され専用レジに向かうように指示される。(その間に商品は1階の配送門まで送られる)

ここで注意したいのは会計が済んで配送門まで送られた商品の分解・荷運び作業は自分ひとりで行うという点で、仮にマイカーで運ぼうとしているなら大まかな収納可能寸法を把握しなければいけないし、事務机などをバラして運びたいなら六角レンチ等の手工具を用意しておいたほうが賢明だ。
(優しい店員さんなら付き添ってくれたり工具を貸したりしてくれるが、常時繁忙期のキンブルではそれどころではないというのが実情だと思うので、あまり期待しないほうがよさそう)
 さんざん脅してきたが、送料を払えば普通に配送してくれることと、数日程度なら取り置いてくれることは付け足しておきたい。ちなみに、グランドピアノや仏像など繊細なものには配送不可と値札に貼られている。

食品・文房具

 こちらは小牧店の様子。食料品の値段に注目されがちだが、実はそうでもない商品がそこかしこにあるので雰囲気に流されないように自我を保たなければならない。

もうひとつ気を付けたいは、店内のそこかしこに貼られている11円の値札(お皿・謎のペット用品・謎のカバン等)に目が慣れてしまう恐怖がある。何となくありがたみが薄れるというか金銭感覚が破壊され、どれもこれも単なる2桁の数字にしか見えなくなってしまう。

これは実に恐ろしい症状で、シラフ状態では絶対に手を出さないであろうどうでもいいデブリ同然の品物までスイスイとカゴに入れてしまったが最後。もう助からない。
私が【激安の銀河】から”激安の”を抜いた【銀河】と表現したくなるのは、こういった苦い経験から自戒の念も込めている。

ダイス3個不足

 バックギャモンをリアルで遊ぼうとするとバックギャモンボードというものが必要になるわけだが、公式戦で使う場合はチェスと同じくサイズに色々な規定があるようだ。 

日本バックギャモン協会(JBS)の通販ではS・M・Lといった具合にサイズ分けされている。中でも最高級品に位置付けているアメリカのバックギャモンボード「P-40」に目が釘付けになってしまった。

このボードの特徴は、金属製の側板を取り外すことで様々なカラーのプレイマットへ交換可能になっているところ。
この”色替え式”は他製作メーカーにも影響を与えたようで、裏面がマジックテープになっているタイプやシート磁石になっているものなど、プレイマットが交換できるボードが後追いで商品化されていた。

 話は現実に戻る。

 その日は仕事が早く終わり、約1か月ぶりにキンブルへ立ち寄れた。
目利きなどできるわけないのにガラス張りの骨董品コーナーに佇み、ナルホドナ…などと独り言をブツブツ言い、さも常連客を気取るポイントを稼ぐためのクエストを消化する。
自由時間になり、店内入口付近の美容品コーナーへ。といってもお目当てはエアコン用の洗浄スプレーだ。(新品ながら由緒正しいホームセンターの半額以下で買えるので、実際よく売れている)

スプレーを手に取り振り返ると、視線の先にはおもちゃコーナーがある。
商品棚がやけに散乱していた。キープしたが心変わりしたのだろうか、売り場とは無関係な文房具もいくつか置かれている。昔から、こういうのを見ると無性に整理したくなる。

麻雀牌、麻雀牌、トランプ、麻雀牌、麻雀牌、麻雀牌、BACKGAMMON。

私は、新たな相棒を小脇に抱えて私は8番レジに向かった。